『遠野物語』発刊100周年に向けて、『サライ』の「みちのく取材班」が総力を挙げて特集した2月号「遠野物語を旅する」はいかがだったでしょうか。
取材班はまず、日本民俗学の父と称される柳田國男が見た“伝承の里の風景”を求め、山々が赤く色づき始めた頃、民話のふるさと・遠野を訪れました。
東北新幹線・新花巻駅で釜石線に乗り換え、列車にゴトゴトと揺られながら車窓に目をやると、美しい山々や川、黄金色に光り輝く田圃が次々に広がっていきます。およそ100年前、柳田國男はこの風景を人力車に乗って眺めたのだろうと想像していると、ようやく遠野駅に到着。東京からおよそ4時間の列車の旅でした。ちなみに、釜石線の列車は宮守駅を通過すると間もなく、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のモチーフになったアーチ型鉄橋「めがね橋(宮守川橋梁)」を通過します。年に3回、ひと月間ほど美しくライトアップされるというこの橋は、車内からは全景が見えないので、時間に余裕のある方は宮守駅で途中下車してみてはいかがでしょう(ライトアップ期間の問い合わせ先/遠野市産業振興部 観光交流課 岩手県遠野市東舘町8-12 TEL 0198・62・2111)。
今回、取材班は3チームに分かれて、各班は都合3度、遠野を訪れています。カメラマンのひとり、宮地工さんは、ほぼ半月にわたって遠野に滞在し、『遠野物語』の世界を徹底してすくい上げるべく撮影に臨みました。
本特集では、遠野の名所・旧跡のみならず、その土地の「食文化」も深く取材しています。取材を進めていくうちにわかったのは、岩手の内陸部に位置する遠野は、野菜や山菜など山や畑の食材だけかと思いきや、三陸海岸の新鮮な海の幸も味わえるということ。特集で紹介している『旬菜 和田』でも、海の幸を使った献立がいくつも膳に並びます。紙面の都合で今回はご紹介できませんでしたが、魚介料理を味わいたければ、居酒屋『魚っこや』(ごっこや)もお薦めです(遠野市中央通り10-7 TEL:0198・60・1558 営業:17時30~23時 日曜定休)。 異色の料理店は、『農家れすとらん 横一』(57ページ参照)でしょう。店主の阿部義知さんは猟師ということもあり、同店では鹿や熊などの珍味が味わえます。阿部さんの話によると、ある日、ひとりの外国人がふらっと店を訪れ、後日、その外国人から美味なる料理のお礼にと、1冊の本が送られてきたとのこと。阿部さんはその本に記された著者名を聞いたことがなく、友人に「この人、知ってるか?」と訪ねたところ、「こりゃ、有名な作家さんだよ」と言われたそうです。じつはこの外国人は、作家でナチュラリストのC・W・ニコルさんだったのです。阿部さんは、ニコルさんがわざわざ新潟の黒姫から足を運んでくれたことに大変驚いたと語ってくれました。
本特集では、読者の代表として女優で脚本家の近衛はなさんにも、遠野の町を歩いてもらっています。近衛さんは、父上が俳優の目黒裕樹さん、母上が元女優の江夏夕子さん、父方祖父が近衛十四郎さんという俳優の家系に育った方。読書家でもある近衛さんは『遠野物語』をかなり読み込んでいて、遠野にもすでに2回訪れたことがあるとのことでした。
かつて遠野は東北有数の馬の市が開かれており、馬と娘の悲恋から生まれたオシラサマの伝承をどうにか写真で再現したいと思った取材班は、早速、近衛さんとともに『遠野 馬の里』へ。おとなしい馬を係の方に用意してもらってフィルムに収めたのが、37ページの一枚です。
趣味が乗馬という近衛さんは、すぐさま乗馬に挑戦。手綱を握るのは本当に久しぶりと言いながらも、颯爽と馬にまたがり、見事な手綱さばきを披露してくれました(写真①)。しかも、カッパ淵では、「石の上から川底に潜むカッパを覗き込むような写真を撮りたい」という取材班の無理な注文にも近衛さんは笑顔で答えてくれて、こんなポーズも取ってくれました(写真②)。近衛さん、本当にありがとうございました。
(編集部・小倉康広)
『サライ』1月号の特集「犬と共に日々元気」は、小誌では10年ぶりの犬特集。その担当者であった私は、当時自分が犬を飼っていなっかたこともあるのだが、今ひとつ納得いかない構成のまま世に出したことを悔やんだ。今回、そのとき何が足りなかったかに気づいた。それは我々が犬を飼おうと覚悟を決めるときの年齢だ。
自分たちの子供が巣立った後、犬を飼い始める夫婦が増えていると聞く。だが還暦近くなり、あるいは過ぎ、これから15年~20年生きようとする新しい命を家に迎えることは、大きな冒険でもある。今回の特集に寄稿していただいた作家・出久根達郎さんの文章にもあるように、「若い時は考えてもみなかったが、犬を飼う年齢には限りがある」のだ。つまり相当な覚悟が必要だということ。ここがわかっていなかった。
10年前の特集の後、我が家でも犬を飼い始めた。ある作家の家で子犬が生まれ、それを知り合いの編集者から聞いた私は早速見せてもらいに行った。そこでメロメロになってしまったのである。子犬に限らず、生まれたての生き物というものは丸くて小さく、「俺が守らないで誰が守るんだ」という気にさせるのかも知れない。考えてみれば、ほかの動物を飼おうとするのは、人間だけが持っている本能なのではないだろうか。だが、可愛いからと飼い始めても、自分が年を取るほどに面倒を見るのが難しくなる。今回取材した団体「ドッグシェルター」でも、病気や高齢を理由に犬が飼えなくなり手放すといったケースも多いと伺った。
数千年前から人間と伴に生活している犬。最近では盲導犬、聴導犬、老人ホームを巡回する犬など、社会に役立つ犬が話題になることもある一方、この動物が嫌いという人も多い。鳴き声がうるさい、家の前でおしっこやうんちをするということから、諍いが起きたりしている。「生類憐れみの令」を発した徳川綱吉ならば一喝して終わりなのだろうが、より複雑になった現代社会ではそうはいかない。つまり飼い主が社会的なルール(あるいは法令)を認識した上で飼わなければならない。
平成22年は寅年(本号では年賀状特集も掲載しているので、そちらもお楽しみに)。虎をペットにする人はいないだろうが、虎はネコ科の動物。その猫の天敵は犬である。「吾輩は猫である」の夏目漱石は、実は猫と一緒に犬も飼っていたことをご存じだろうか。ヘクトーと名付けたその犬は、「我が輩」のモデルになった猫の隣に永眠しているのだとか。漱石の時代、日本の犬は自由に近所を歩き回っていた。つまりその地域の共有物だったのである。個人で訓練して役立たせようなどという意識はなかった。それが川端康成の頃から変わってくる。本特集ではそうした文豪と犬との関わりにもふれている。
10年前の小誌の犬特集を覚えている読者の方は少ないだろう。だが、今回の特集には前回にない熱意と自分自身の経験を随所に織り込むことができた気がする。最後にまた、出久根さんの文章で締めくくりたい。「この子を見送るまでは死ねない。そう決意したら、健康に気をつけるようになった。犬のお蔭で、日々元気である」。
(編集部・辻泰弘)
●本特集で紹介している「犬と一緒に泊まれる宿」
「星のや 軽井沢」
「奥志賀高原ホテル」
「高山わんわんパラダイスホテル」
「はんなり伊豆高原」
「ザ・ペニンシュラ東京」
「フォーシーズンズホテル椿山荘東京」
『サライ』12月号は美術館の特集です。この秋冬注目の美術館と共に、展覧会情報が掲載されていますので、これからどの展覧会に行くか迷っている人は、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
さて、ここでは、特集にも掲載されている、岡山県倉敷市の「大原美術館」をご紹介いたしましょう。
大原美術館はたいへん歴史の深い、個性的な美術館。日本の美術館を牽引してきた美術館ともいえるのです。というのも、昭和5年に、私設で西洋美術を紹介する日本で初めての美術館だからです。詳しい歴史やその成り立ちは本書に詳しく出ておりますので、それをご覧頂くとして、誌面ではご紹介しきれなかった大原美術館の魅力をお伝えします。
美術館は、JR倉敷市から歩いて約15分、タクシーだとワンメーターの距離にあります。倉敷の美観地区のなかにあり、江戸時代に栄えたという街並みが今も残る風情のある場所です。白壁の屋敷、川沿いには柳並木。ぶらりと歩くだけでも愉しい地域。海外からの観光客も多く、取材に訪れたこの日も、外国の旅行者を数多く見かけました。
分館の前の前庭にはロダンとムーアの彫刻。地元の幼稚園・保育園と連携し、毎年子供の美術へのふれあいをテーマにしたプログラムが行なわれています。所狭しと子供達がこの庭を遊び回るそうですよ。
そして美術館のもうひとつの愉しみといえば、美術館で買うオリジナルグッズ。大原美術館も充実しています。ぜひ、世界の名画が一同に見ることができる大原美術館を訪れてみてはいかがでしょうか。
(編集部:熊谷 ユリ)
大原美術館
〒710-8575
岡山県倉敷市中央1-1-15
TEL 086-422-0005
FAX 086-427-3677
URL://www.ohara.or.jp
『サライ』11月号の古代史特集は、いまから約1万2000年前の縄文時代から、約1400年の飛鳥時代まで、この列島の歴史をさかのぼる、悠久の時間旅行への誘いである。名づけて「謎解き 古代日本ミステリー・ツアー」。4000年前のストーンサークルから、巨大古墳、卑弥呼と邪馬台国、ヤマトタケル...謎だらけの古代史を、時に最新研究の力を借り、時に想像力をはたらかせながら解き明かしてゆく。
ところで、時間旅行の土産にふさわしいものはないか。実は、取材から帰るたびに会社の机の上にあるものが増えていった。下の写真を見てほしい。これらは市販されている土偶であり、埴輪である。土偶はおもに縄文時代につくられ、生殖や豊饒にかかわるとされる縁起物。埴輪は1800年ほど前から古墳の周囲や内部に置かれた副葬品。ともに人の生死にかかわる祈りの偶像である。さまざまな土偶や埴輪を見ていると、たまらず欲しくなってしまうのはなぜだろう。こよなくかわいいのである。人目を盗んでも持ち帰りたくなってしまうから不思議である。
なかでも遮光器土偶は別格(後述の大英博物館「土偶展」英文図録でも西川伸司のコミック『土偶ファミリー』とともに大きく紹介されている)。いまも焼いている人があると聞いて、駆けつけた。一戸広臣さんは焼き方も昔に倣い、薪だけを使って素焼きをする。そのため大変もろいが、そのはかなさがいとおしい。900円のいちばん小さいものを買い求めた。
(1)遮光器土偶
900円~15万円(写真は15万円のもの) 取り寄せ応相談 (問)津軽亀ヶ岡焼しきろ庵 TEL:0173・45・3452

②板状土偶(ばんじょうどぐう)
国立歴史民俗博物館で平川南館長と俳優・苅谷俊介さん、タレントの大桃美代子さんの座談会を担当した編集部Oも、「実はわたしも買ってしまいました」そう言って、そっと埴輪を取り出した。歴博でも何種類もの埴輪が格安で市販され、ロングセラーとなっていた。
●東京国立博物館「国宝 土偶展」
12月15日(火)~2010年2月21日(日)本館特別室5号
今月から月刊誌としてより進化した『サライ』。その大特集が俳句入門です。
日本の俳句人口はいまや500万人を超えていると言われています。私もこれほど愛好者が多いとはこの特集に携わるまで知りませんでした。年齢層も小学生からサライ世代まで幅広いのが特徴。たとえば、第1部の特集24ページの座談会にご登場いただいた、金子兜太先生が監修された『小学生の俳句歳時記』(蝸牛新社)を読むと、子供の素直な心で詠んだ、自由で生き生きとした句がたくさん掲載されています。また同座談会の佐藤文香さんは、愛媛県立松山東高校時代、NHKが主宰する全国高校俳句選手権である『俳句甲子園』で個人最優秀賞を受賞したことがあります。まさに老若男女が燃えることができる文学の世界。ピカソの言葉を借りれば、「広い自由」がそこにあります。
さて、私が今回の取材で同行させていただいたのは、俳人の黒田杏子さんが主宰する「藍生俳句会」。定例句会と秩父への吟行にお邪魔いたしました。
特集「江戸の『もったいない』生活術」はいかがでしたでしょうか。江戸の人々が持っていた知恵と工夫に、少しでも興味をもっていただければ、幸いです。
さて、江戸時代でも日々の生活に「水」と「火」は欠かせませんでした。「水」に関しては、特集でもご紹介しましたように、江戸の人々は郊外の湧水からひいた水道(34~35ページ)の恩恵を受けていましたが、「火」は「火打ち石」と「火打ち金(ひうちがね)」で火をおこしていました。承王2年(1653)に完成し、江戸の人々の生活を潤した全長約43kmの玉川上水を取材で訪れた、作家の石川英輔さん(75歳)が、当時の「火」のおこし方を実演してくださいました。
35ページでもご紹介した
「玉川上水放流口」付近に立つ
石川さん
「マッチがなかった江戸時代、火をつけるには、火打ち石という石を鉄に打ち合わせて出る火花で、火ダネを作りました。火打ち石には石英などの固い石を用いましたが、着火するためには石の周囲を割って鋭い角を作る必要がありました。また、火打ち石を打ちつける鉄は火打ち金(ひうちがね)と呼ばれ、木の把手に鋼鉄をはめ込んだ道具を使いました」(石川さん)
鋭い角がある硬い火打ち石(左)と、鋼鉄の火打ち金を打ち合わせる様子を披露する石川さん。打ち合わせたときに出る火花で、火をおこした。
<火のつけかた>
① 火口(ホクチ)の上で、火打ち金に火打ち石を打ちつけで火ダネとなる火花を作る。
② 火口の上に火花が落ちて点火したら、その部分を口で吹いて火ダネとする。
③ 火ダネになった部分に、薄い木の板の端に硫黄を溶かした付木(つけぎ)の先端を押しつけて、炎を作る。
石川さんは、火口にはモグサを使っているという。モグサとは、ヨモギの葉に生えている細かな毛を集めたもので、それをブリキ缶で蒸し焼きにし、真っ黒でふわふわとした火口を作る。
実際にやってみると、石の鋭い部分と火打ち金の角をうまく当てるのに、ちょっとしたコツがいる。そのほかにも、様々な条件をうまく保たないと火はつきにくい。しかし、材料さえ揃えば火をおこすことができるのだから、石油やガス、電気がないと火はおろか生活が成り立たなくなる我々の生活について、今一度、考えてみるよい機会になりました。
参考文献/『大江戸生活体験事情』(講談社文庫)
(サライ編集部・三浦一夫)
●特集「江戸の『もったいない』生活術」への主要リンク先
●名車を唎く
トヨタ クラウン マジェスタ
●サライ美術館
札幌芸術の森美術館
●商品情報インタビュー
ソニー "nav-u"「ナブ・ユー」
出雲を訪れたら、出雲大社を参拝して終わり...ではなく、ぜひ周辺も散策していただきたいと思います。
とくにお奨めは稲佐浜。旧暦10月に全国から八百万の神が上陸する「神迎え」の場所ですが、その時期でなくても素晴らしい夕日を堪能できます。出雲大社の千家和比古権宮司から、出雲には夕日信仰が存在する(26ページ参照)とお聞きしていましたが、身をもって体験できる場所でした。
また、稲佐浜から出雲大社に向かう道は「神迎えの道」と呼ばれ、年間を通して花を飾る取り組みが行なわれています。これは神様だけでなく、道行く人もささやかなもてなしの気持ちで迎えているのだとか。さまざまな種類の草花が飾られ、眺めながら散歩しているだけでも楽しい気持ちになれること請け合いです。
花が生けてある竹製の容器は、「潮汲み」と呼ばれています。地元の人は早朝、稲佐浜で海原に手を合わせ、海水をこの容器に汲むのだそうです。その水を持って出雲大社に参拝し、神前と自分の体に笹の葉でまいて浄め、自宅の各場所にもまくのだといいます。
「神迎えの道」に限らず、出雲の地はいつもきれいに掃き清められていて、訪れるたびにこちらの心も浄められる思いです。
そして民家の軒先にも注目。よく見ると屋根の先端に「大黒様」の瓦が嵌め込まれているではありませんか。出雲は「大国様」(大国主神)の土地ですが、読みが同じことから仏教の大黒天(もとはヒンズー教の破壊神、七福神の一)と同一視され、大黒様の信仰も盛んなのだと聞きました。
なお、私は1か所だけしか発見できませんでしたが、恵比寿さんの屋根瓦も対で配されているのだそうです。基本的に出雲大社の方角に大黒さんが、美保神社(松江市美保関町)の方角に恵比寿さんが向いているのだそうです。恵比寿さんは、美保神社の祀る事代主神(大国主神の子神で漁業神)の信仰にちなんでいるとのこと。
神迎えの時期でなくても、ありがたい気に満ちている土地。ぜひ出雲にお出かけください。 (サライ編集部・秋窪俊郎)
●特集「出雲大社『謎解き』の旅」への主要リンク先
●サライ美術館
フジフィルム スクエア
●名車を唎く
フォルクスワーゲン
●商品情報インタビュー
ヤマハピアノ N3
私自身、金魚飼育歴30年の愛好家ですが、金魚の価値が正当に評価されることを願い、渾身の力で今回の特集「金魚を愛でる」を担当いたしました。「本物の金魚」の魅力を感じていただくべく、現在の日本における最高品質の金魚の写真を撮り下ろして掲載しました。
●金魚の王様「ランチュウ」の魅力
皆さんよくご存じなのは金魚すくいでよく見られるワキン、クロデメキンでしょう。ところで金魚の種類はどれぐらいあるかをご存じでしょうか? 日本国内で約50種、金魚発祥の地・中国では300種類とも言われます。その中でも最も人気があり、日本各地に愛好会が存在するのが金魚の王様「ランチュウ」です。私自身も、この魚に魅せられて30年、飽きるどころか、年を追うごとにより一層その魅力に惹き付けられています。下の写真がそのランチュウです。
この写真を見て、皆さんはどうお感じになられますか。「綺麗だ」と感じていただければ嬉しいのですが、「変な魚だ」と思われる方もおられるでしょう。それは致し方のないことです。それは金魚が、単なる観賞魚の域を越えた芸術品だからなのです。理想の金魚像を求めて、先人は品種改良を重ね、美しい姿形を作り上げてきました。芸術とは奇妙さ、グロテスクさと常に表裏一体のものです。ランチュウの奇妙さを美しい、面白いと感じる感性がある人は、深いランチュウ道へと迷いこんでいきます。
ちなみに、上の写真のランチュウは、日本最大のランチュウ品評会「日本らんちう協会全国品評大会」で過去に二度の日本一を獲得した東京の青木浩一さんが、今秋の品評会を目指して育成されている魚です。今回、青木さんにも取材させていただきましたが、同好の士のよしみか気さくに接していただき、仕事を忘れて話し込んでしまいました。銘魚を作り出す秘伝も伝授していただき、私の財産となりました。分け隔てなく人に接して、大切なことも惜しみなく開陳してくださる青木さんの姿に、一流の人物だけが持つ崇高さを見ました。やはり、「道」を極める人は違うものです。
●「ランチュウ」の二大拠点を訪ねる
今回、取材にお伺いしたのはランチュウという品種を作り出し、150年の伝統を持つ「らんちゅう宗家石川」さんと、「高橋らんちゅう養殖園」さん。両方とも東京にありますが、前者は北区、後者は大田区に位置し、およそ東京の北端と南端に位置します。
「らんちゅう宗家石川」さんは日本一歴史のあるランチュウ愛好会「観魚会」を主催しておられますが、その春期品評会にお邪魔しました。各会員が丹精込めた魚に順位がつけられるハレの舞台です。さぞ張りつめた雰囲気だろうと構えて伺いましたが、皆さん和気あいあい、審査も和やかな雰囲気で行なわれていました。金魚の愛好会というと敷居が高い特殊な世界という印象があるでしょうが、全くそんなことはなく、どんな人でも気軽に入会できる開かれた会だという印象を受けました。お話をいただいた「観魚会」会長の高橋節夫さん、らんちゅう宗家の石川正彦さん、忠夫さんご兄弟には本当にご親切にしていただきました。この場を借りて御礼を申し上げます。
「高橋らんちゅう養殖園」さんでは、サライ14号93ページの扉写真を撮影させていただきました。門外不出の銘魚を出していただき、同園が主宰する愛好会「紫錦会」で使用される木桶に入れて撮影しました。まさに「動く宝石」という表現がはまる姿です(下写真)。当日は春に生まれた稚魚の販売をする同園の名物行事「初売り立て会」が行なわれていました。プロのランチュウ店の池に一般人が直接網を入れて好きな魚を選べるのです。ランチュウ専門店でこういうことができるのは全国でもこの場所、この日だけという稀有な機会。仕事を忘れ、我を忘れて稚魚選びにふけってしまいました。不自然な姿勢で長時間、池の脇に這いつくばっていたので、翌日以降、全身の筋肉痛に悩まされました。体の痛みに苛まれながら、かくも私を虜にするランチュウというのは一体何者かと、不思議な気持ちに取り憑かれたものでした。
「サライ」を読んで「金魚って面白そうだ」と感じられた方は、ぜひこの世界に入ってきていただきたいと、切に願っております。こんなに面白い趣味はありませんから。
「高橋らんちゅう養殖園」の貴重なランチュウ。木桶を悠々と泳ぐ姿に時間を忘れて見入りました。
(サライ編集部/西村研一)
●本誌14号110ページに紹介した店舗、施設のホームページアドレスを以下に記しますのでご覧ください。
◎金魚銘店
らんちゅう宗家石川
金魚一道
高橋らんちゅう養殖園
丸照養魚場
金魚shopコウサカ
三卯養魚場
◎金魚観賞処
環境水族館アクアマリンふくしま
葛飾区金魚展示場
郡山金魚資料館
●サライ美術館
東京国立近代美術館
●名車を唎く
三菱自動車工業
●商品情報インタビュー
アサヒ ザ・マスター
今号の特集は北斎と広重の風景画を中心に、浮世絵の鑑賞法を紹介しています。今回、初めて知って驚いたのは、江戸期の版木がまったく残っていないということ。そりゃ、何十回何百回も摺っていれば磨り減るでしょう......最初はそう思いました。ところが違うんです。版木に用いていたのは高価なヤマザクラ。何回か摺ったあとは、彫った作品を削りとって再利用していたんだそうです。今となっては勿体ない話だと思いますが、当時は彫師の手間よりヤマザクラの板のほうが貴重だったのでしょう。
ところで、『長尾版画匠』(42ページ参照)を訪れた際、素敵な版画を買ってしまいました。竹久夢二の意匠による「どくだみ」です。高さ20㎝ほどの小さな作品ですが、なんと額付きで2000円! 彫りから摺りまで丁寧な手作業なので、ほのぼのとした味わいが感じられます。さっそく玄関先に飾り、悦に入っているところです。
小さいとはいえ、立派なアート作品。しかも手頃な値段なので、手元に置いて楽しめる──。江戸庶民にとっての浮世絵も、まさにそんな存在だったのかもしれません。
ついでながら、これまであまりいい印象を持っていなかったドクダミですが(名前も可哀相)、この版画をきっかけにして急に愛らしい存在に思えてきました。(サライ編集部・秋窪俊郎)
●大特集 「浮世絵」の見方
北斎・広重・浮世絵 美術館へのリンク先
●名車を唎く
スマート
●サライ美術館
江戸東京博物館
●商品情報インタビュー
東京ガス エネファーム
皆さん、6月4日発売の『サライ』12号の特集「古道と自然歩道をゆく」はお読みになっていただけましたでしょうか。新緑萌え、陽光まぶしい季節となりました。今号のこの特集は、表紙にある尾瀬の木道の写真とともに、皆さんを屋外へと誘うべく編集部で知恵を絞ったものです。
その12号の42ページでお話を聞いているのが、「行動する作家」として知られる作家・立松和平さん。最近は著書『百霊峰巡礼』(東京新聞出版局刊)にも書いているように、各地の山々を巡るなどその衰え無き探求心は健在です。
そんな多忙な立松さんにお時間をいただいて「古道と自然道」についてお話を伺いました。現在も日本国中をその足で歩き回っている立松さんのお話には、時間を忘れて引き込まれてしまいました。誌面では割愛してしまいましたが、立松さんは「故郷・栃木県の霊山である男体山(二荒山)は私にとって"心の山"です。日光の歴史を交えながら、いつかは必ず作品に登場させたいと願っていました」とも話しています。その想いが結実したのが単行本『日光』(勉誠出版刊)です。立松さんが愛する奥日光・小田代ヶ原を楽しむコースもこの特集に載っています。この夏は『サライ』片手に、歴史ある「古道」や、自然の息吹を感じられる「自然道」を歩いてみてはいかがでしょうか。(サライ編集部/石橋嘉仁)
●特集「古道をゆく」主要HPへのリンク先
●サライ美術館
京都府京都文化博物館
●名車を唎く
ホンダ インサイト
●商品情報インタビュー
ヤマダ発動機 電動自転車
今号の特集は、昨年の夏にサライ仏像取材班が総力を挙げて取り組み完売した仏像大特集(サライ17号)の第2弾です。3本立ての大特集の第1部では、東京・上野の東京国立博物館で開催中の「国宝 阿修羅展」の主役である阿修羅像を徹底取材しています。
本特集は、これから阿修羅展に足を運ぼうと思っている方のガイドブックとなるのはもちろんのこと、すでに展覧会を観た方でも、読めばきっと新たな発見があることでしょう。
今号の表紙の写真は、阿修羅展で展示されている興福寺・阿修羅像の撮り下ろしです。国宝指定の阿修羅像を新たに撮影できる機会など滅多にありません。そこでサライ仏像取材班は、今まで見たことのない阿修羅の表情をぜひ撮ってみたいと思いました。
過去に撮影された阿修羅像の写真をかき集め、徹底的に見比べた結果、あることに気付いたのです。それは、阿修羅像を見下ろすような角度から撮った写真がない、ということでした。仏像を見下ろすなど不謹慎なことをしていいものかと思いましたが、千載一遇のこの機会を逃すわけにはいかないと撮影に臨みました。
国宝の仏像撮影には、いくら注意を払っても足りることはありません。カメラマンは許可されたギリギリの高さまで脚立に登り、万一、脚立が倒れても阿修羅像を決して傷つけることのないようスタッフが脚立を取り囲んでの撮影です。"もし、今、地震がきたらカメラマンより阿修羅像を第一に守らねば"と、その場にいた誰もが固く心に誓っていたのはいうまでもありません(笑)。
苦心の末に、ようやくフィルムに収めることができた一枚が、今号の表紙の写真なのです。6月7日まで開催されている阿修羅展は、阿修羅像を360度、像の周りを一周しながら鑑賞できます。でも、さすがにこれほどの近距離から阿修羅を見下ろすことはできません。
三面六臂の名像は角度や光の加減によって、様々な表情を見せてくれます。みなさんは「見下ろした」阿修羅の表情に、どのような観想を抱きましたか?(サライ編集部・小倉康広)
●大特集「続・仏像の見方」主要HPへのリンク先
●名車を唎く
ベントレー モーターズ ジャパン
●サライ美術館
浜松市秋野不矩美術館
●商品情報インタビュー
パナソニック補聴器株式会社
サライ10号の特集は、いま話題の「直江兼続」。ご存じのように、現在放映中のNHK大河ドラマ『天地人』は、彼の"義"に生きた生涯を描いています。
本特集では、このドラマ『天地人』の原作者、作家の火坂雅志さんにお話しを伺っています。火坂さんの兼続に対する熱い思いは、本誌84~85ページのインタビューをご覧いただくとして、ここではこのインタビューの際に火坂さんから教えていただいた、美味しい米沢土産をご紹介しましょう。
じつは火坂さんは、取材先の町々で甘いモノを物色しては歩くという、大の甘党。なかでも大好物なのが、羊羹だそうです。松山の薄墨羊羹をはじめ、名物羊羹を求めては全国各地を尋ね歩いてきたといいますから、筋金入りの羊羹好きと言えるでしょう。
そんな火坂さんが"日本の羊羹の三指に入る"と太鼓判を押す羊羹が、米沢近郊の小松という小さな宿場町にあります。その名は『塩小倉(しおおぐら)』。製造・販売元は、「十印(じゅうじるし)」という老舗菓子店です。この「十印」、先祖は越後の廻船問屋でしたが、上杉家の移封とともに会津若松、そして米沢へと移っていった歴史をもっています。江戸時代は米沢藩御用達の塩問屋としておおいに繁盛し、"置賜(米沢盆地)の経済は十印でわかる"とまで言われたそうですが、明治になって塩が専売制になると、和菓子店に転業。そこで創りだしたのが、小倉餡にほんのり塩味を利かせた羊羹『塩小倉』でした。小倉餡の甘味と塩味との組み合わせは一見ミスマッチのような気もしますが、食べてみれば納得。仄かな塩味が餡の甘さを引き立てるだけでなく、甘さだけが際立たないため、一度にたくさん食べられるのです。
この『塩小倉』、店頭での購入の他、お店に電話・FAXして送ってもらうこともできます。でも、新緑がまぶしさを増すこれからの季節、兼続ゆかりの地をめぐるついでに、ぜひ訪問してみてはいかがでしょうか。(サライ編集部・判治直人)
●「十印」 山形県東置賜郡川西町上小松1574 TEL:0238・42・3044 営業8:30~18:30 年中無休 JR米坂線の羽前小松駅より徒歩約5分。
●大特集「直江兼続の本領」主要HPへのリンク先
●名車を唎く
●サライ美術館
●商品情報インタビュー
明治以降の日本の近代において、政財界のリーダー達が、風流を好み、茶の湯を愛し、蒐集をするようになりました。彼らは数寄者(すきしゃ)と呼ばれ、その見事なコレクションの多くは、自ら建てた美術館で今でも目にすることが可能です。今回、別冊付録で紹介した美術館や茶室は、茶の湯に関するコレクションはもちろんですが、それ以外の所蔵品も素晴らしいものが多く、一見の価値があります。ぜひ足を運んでいただきたいと思います。
少し話はそれますが、伝説の男、白洲次郎の生涯がNHKでドラマ化(第3回は今年の夏に放送予定)されました。そのパートナーの白洲正子の骨董の師匠ともいえるのが青山二郎です。稀代の目利きとされた青山二郎は千利休に興味を持ち、『利久傳ノート』を書きました。彼の蒐集品の中には、今回、別冊付録で紹介した松江市の「明々庵」ゆかりの松平不昧公が所蔵していた高麗茶碗や、益田鈍翁の絵唐津もあります。時代を超えて、数寄者の心をとらえて放さない「美の世界」がそこにはあるということでしょう。
美術館や茶室では、オリジナルのお土産品が多く販売されています。別冊では紹介しきれなかった美術館と茶室で購入できるグッズをお見せします。訪れた記念に、あるいは友人への贈り物にしてはいかがでしょうか。(サライ編集部・熊谷ユリ)
↑畠山記念館: 風呂敷 尾形乾山「秋萩図」1850円
↑徳川美術館:有楽茶扇・利休茶扇1890円、
抹茶碗写しのぐい呑み1万500円
↑三渓園:三渓四弁花紋懐紙入れ・大5000円、小2800円
※ 在庫の有無や価格については随時変更されることがありますので、各美術館・茶室にお尋ねください。
●大特集「茶の湯大全」主要HPへのリンク先
●名車を唎く
日産自動車
●サライ美術館
足立美術館
●商品情報インタビュー
キリンビール
8号の『列車に揺られて「旨し旅」』特集はいかがでしたでしょうか。北海道から九州まで、全国12の路線及び列車で出かける旅をご案内しましたが、皆様も本誌を旅のお供に、ぜひ、お出かけください。
さて、この特集号の表紙は、茨城県の下館(しもだて)駅と栃木県の茂木(もてぎ)駅を結ぶ、全長41.9kmの真岡鐵道を走るSL「もおか号」です。表紙の写真は昨年の春に撮影したものですが、取材は今年の1月に行ないました。「成人の日」がある3連休に現地を訪れましたが、本誌22ページの写真のような迫力のある重連運転(機関車を2両連結して運行すること)を見ることができました。
現在、真岡鐵道には2両のSLが走っています。表紙のC12形SLは昭和8年(1933)製。75年以上も前に製造されたものです。日本各地のローカル線で活躍した後、福島県内に保存されていたものを復元・修理して、平成6年(1994)より真岡鐵道を再び力走しています。もう1両はC11形SLで、昭和21年の製造。こちらも製造されてから60年以上を経ていますが、新潟県内の中学校に保存されていたものを復元・修理しました。
この2両のいずれかのSLが牽引するSL「もおか号」が週末や祝日を中心に運行されていますが、2両で走る重連運転はいつでも見られるわけではありません。SL「もおか号」が重連で運行される予定は、真岡鐵道(TEL/0285・84・2911)へお問い合わせください。
また、終点の茂木(もてぎ)駅では、復路で再び先頭にSLを連結させるために、機関車の向きを変える「転車台」(ターンテーブル)の作業を見ることができます。真岡鐵道にSLが走っていた頃の貴重な産業遺産です。ちなみに、真岡鐵道は平成元年(1989年)に廃止されたJR真岡線が、沿線の自治体などが出資する第三セクターとして転換されたものです。
実際、SL「もおか号」に乗ってみました。始発の下館駅を10時37分に出発するSL「もおか号」は、終点の茂木駅に12時2分に到着します。およそ1時間半ほどののんびりとした汽車の旅が楽しめます。復路は14時28分に茂木駅を出発します。茂木駅で折り返すまでの2時間半ほどの間に、SLは転車台で向きを変え、給水や石炭の補給を行ないます。この転車台でSLの向きが変えられる作業をひと目見ようと、カメラを持った観光客で茂木駅のホームや駅舎の上がいっぱいとなるのです(下の写真参照)。
↑「転車台」の作業をひと目みようと、茂木駅のホームや駅舎の2階に鈴鳴りの見学客。芸能人の記者会見のように、辺りにはカメラや携帯電話のシャッター音が連続して、子供たちの楽しそうな叫び声が耳に飛び込んできます。
私も、御多分にもれず夢中でシャッターを押しました。人間の年齢でいうと、古希と還暦を過ぎたSLが現役で走る姿を見ると、自分ももう少し頑張ってみようかな、と思うのは私だけでしょうか。(サライ編集部・三浦一夫)
●特集『列車に揺られて「旨し旅」』主要HPへのリンク先
●サライ美術館
●商品情報インタビュー
(写真)朗読を担当した松平定知さん。
ただいま発売中のサライ7号は、『平家物語』の大特集。昨年の『おくのほそ道』特集と同様に、目玉はNHK『その時 歴史は動いた』でお馴染みの松平定知アナウンサーによる朗読CDです。
ただし、『おくのほそ道』は全文朗読しても約64分に収まりますが、『平家物語』はなにせ全13巻にもおよぶ長尺物。読者の皆様からいただいたアンケートも判断基準とさせていただき、監修の櫻井陽子先生(駒沢大学教授)らと悩みに悩み11場面に絞りました。
ちなみにアンケートの結果は、以下の通りです。
〈興味のある登場人物〉
1.平清盛 2.源義経 3.那須与一 4.木曾義仲 5.平重盛 6.源頼朝
〈行ってみたい古戦場〉
1.壇ノ浦(山口県) 2.屋島(香川県) 3.一ノ谷(兵庫県)
4.富士川(静岡県)
このうち、木曾義仲や富士川の合戦などが含まれる話は、残念ながら収録時間の関係で、涙を呑んで割愛させていただきました。なにとぞ、ご了承ください。
付録CD『平家物語』の一部をお聞きいただけます。下の操作パネルの左下、右向き三角形の「PLAY」ボタンを押すと自動再生されます。パネル右下部分で音量調整もできます。
また、今回の特集を進行中に、ハゴロモという会社から『原典 平家物語』というDVDシリーズが出ていることを知りました。
原作1巻ごとにDVDも1巻製作、全13巻をすべて撮り下ろしという壮大な企画です。既発売の「巻第三」までを拝見させてもらいました(巻第四は3月下旬に発売予定)。
各部の意匠には、厳島神社が所蔵する国宝『平家納経』の絵が用いられており、まさに華麗な絵巻という雰囲気です。しかしながら、さらに豪華なのは中身。歌舞伎俳優では市川段四郎、市川亀治郎、沢村藤十郎......。狂言師の野村万作、野村萬斎......。俳優の島田正吾、榎木孝明、風間杜夫......。こういった豪華な面子が語り部を務め、各話を朗読。時には登場人物に扮して、『平家物語』の世界を再現していきます。
ナレーションは元NHKアナウンサーの広瀬修子、テーマ音楽は、『シルクロード』で一躍名を馳せた喜多郎によるもの。まさにツボを心得た作りです。
(写真左)歌舞伎俳優の市川段四郎。巻第二「西光被斬(さいこうがきられ)」で、平家打倒の陰謀をめぐらす西光法師を演じる。
(写真右)陰謀が露呈し、西光が平清盛(左端・演者は麿赤兒)の前に引っ立てられる場面。
1巻あたり2万1000円と高価なので、誰にでもお薦めというわけにはいきません。しかしながら、興味のある人にとっては、価値ある出会いとなるかもしれません。下記HPをご参照のうえ、じっくりご検討ください。
株式会社ハゴロモ
電話による問い合わせは、TEL:03・6672・5629(平日10:00~17:00)。
●大特集『平家物語』の教え◎第2部「平家一門、夢の跡を辿る」主要HPへのリンク先
●特集「筍を喰らう」主要HPへのリンク先
後藤加寿子さん
●サライ美術館
国立新美術館
●名車を唎く
●商品情報インタビュー
3月5日発売の『サライ』6号の特集「京の桜 幕末・歴史探訪」は、お楽しみいただけましたでしょうか。春恒例の「京都の桜特集」ですが、読者の皆様に新しい出会いと驚きをお届けできるよう、毎年、編集部が知恵を絞って企画を考えています。今号では、NHK大河ドラマ『篤姫』で一躍脚光を浴びた薩摩藩家老・小松帯刀をはじめ、坂本龍馬、西郷隆盛など、幕末・維新の英傑たち8人に縁の桜名所をご案内しています。『サライ』片手に各所を訪ねれば、新たな発見があるかもしれません。
また、今回の特集ではご紹介できませんでしたが、今年は「天皇皇后両陛下御結婚満50年」を記念して、京都御所で「特別公開」があります。期間は4月23日(木)から29日(水・祝)までの7日間。例年の一般公開コースに加え、通常は非公開の皇后宮常御殿、飛香舎、若宮・姫宮御殿および朔平門が特別に公開されます。さらに、両陛下の御結婚に関連した展示も実施される予定です。嬉しいことに、今回の特別公開は事前の申し込みが不要で、なおかつ入場料無料です。小松帯刀縁の相国寺にも近いので、お時間が許すようでしたら併せての御参観をお勧めします。(サライ編集部・石橋)
京都御所・紫宸殿。手前は「左近の桜」。
●大特集『春爛漫、ぶらり「桜旅」』第1部主要HPへのリンク
●サライ美術館
●名車を唎く
●商品インタビュー
旭化成サランラップ
私は京都で生まれ育ちましたが、中学・高校時代、授業の一貫として年に一回"能楽鑑賞会"がありました。毎回、学校の体育館で催されたのですが、いつも居眠り。今から考えると、勿体ない話です。でも、狂言が始まると目を覚まし、みな爆笑していたものです。格調高い能もよいですが、入門者はまず狂言からのほうが親しみやすいでしょう。
今回の「能・狂言 幽玄なる旅」特集では、人間国宝でもある狂言師・茂山千作さんに、巻頭鼎談に参加していただきました。「大笑い」を披露してくださり、その声の大きさにびっくり。話を伺った部屋全体がビリビリ響くほどでした。我々でも、なかなかあれほどの大笑いはできません。私が久々に接した実際の舞台でも、千作さんは張りがあってよく通る声で、惚れ惚れとさせられました。鼎談には、テレビなどでお馴染みの頼近美津子さんにも参加していただき、楽しい内容となっています。ぜひ、本誌をお読みください。そして、千作さんの実際の舞台にも、足を運んでみてください。
さて、茂山千作さんがお住まいの京都と言えば、サライも毎年のように特集を組んでいますが、一昨年、昨年と2年にわたって好評だったのが、一澤信三郎帆布とのオリジナル鞄。ひとつひとつ丁寧に手作りされた丈夫な帆布製品のファンは、サライ読者にも多いようです。この一澤信三郎帆布さんが、初めて東京に期間限定で出店されます。場所は、伊勢丹新宿店。残念ながら、サライとのオリジナル鞄は出品されませんが、数多くの帆布製品が揃うようです。なかなか京都まで出向けない東京在住の帆布ファンの方は、ぜひ、のぞいてみてください。
(サライ編集部・藤田)
●信三郎帆布 in ISETAN
日時:2月25日(水)~3月3日(火)、午前10時~午後8時
場所:伊勢丹新宿店本館5階、ザ・ステージ#5
ワインなどを持ち運べる袋。他に、ケイタマルヤマのデザインによる花柄のトートバッグも出品されるそうです。
●大特集『「能・狂言」幽玄なる旅』主要HPへのリンク
●名車を唎く
●サライ美術館
●商品情報インタビュー
●盆栽って難しい?
2月5日発売の「サライ」4号は、盆栽の特集です。皆さんは盆栽というとどういうイメージを持たれるでしょうか。「手間がかかる」、「値段が高い」、「一部の好事家の趣味」などといったところでしょうか。手間がかかる、値段が高いという点は真実でもあり、必ずしもそうでもないとも言えます。しかし、一部の人間の特殊な趣味というイメージは、ぜひ捨てていただきたい。こんなに愉しい趣味の世界を知らないのは、大いなる損失とさえ言えます。ひとりでも多くの方に盆栽に親しんでもらいたい、との一念でこの特集に取り組みました。本誌では盆栽の観賞法、育成法を基礎から解説、別冊付録では多様な樹種を紹介しています。これから盆栽を始めたい人、既に盆栽をお持ちの方どちらでもご満足いただける内容になったかと思います。
盆栽は手間がかかるというのは、考えてみれば当たり前のことなのです。普通、植物は豊かな土壌から水分や養分を得て生きています。しかるに盆栽は小さい鉢の中、限られた量の土によってのみ生きるものです。したがって、こまめな水やりや養分の補給が必修となります。樹種にもよりますが、基本的には水やりは毎日、植え替えは年に一回必要です。意外なのは、いかにも高級で弱そうな「松柏」(マツなど)は乾燥に強く枯らしてしまうことが比較的少ないのに対し、お手軽に見える「葉もの」(カエデ、モミジなど)の方が枯らしてしまいやすいことです。かく言う私も、葉もの盆栽を2つ枯らしてしまった経験があります(でも今は、ずいぶん腕が上がりましたよ!)。
また、誤解されがちなことですが、盆栽は基本的に屋外で育てるものです。床の間や大広間は盆栽の本来の生活場所ではありません。日光、風通しが必要です。室内に飾られている盆栽も、定期的に外に出され、大気に当てられています。
樹齢約250年のシンパク。自然を感じさせる雄大な姿が魅力。白く枯れた部分(シャリ)が時の経過を物語るかのようだ。
撮影協力/国営昭和記念公園 盆栽苑 撮影/宮地 工
●無限なる盆栽の愉楽
盆栽には様々な楽しみ方があります。まず、様々な樹種があり、それぞれの魅力を持っている(詳細は「サライ」4号別冊をご覧ください)。そして同じ樹種でも、苗木から育てるのか、成木を入手するのかという選択肢がある。苗木は安く入手できますが、手間がかかり、それなりの形に育つのに数十年単位の時間が必要となります。対して成木は多少値段が張りますが、より完成形に近い美しい姿を観賞できることと、手入れが"比較的"簡単なのが利点です。どちらを選ぶかは各人の考えや生活に合わせればよいでしょう。ちなみに、今回取材させていただいた愛好家は、数千円の苗を育て上げ、日本最大の盆栽展覧会「国風盆栽展」に入賞させたといいます。これは盆栽愛好家にとっての究極の理想ともいえる形ではないでしょうか。なお、今年度の「国風盆栽展」は、2月8日から15日に東京都美術館で開催されます。最高峰の盆栽が一堂に会する機会ですので、ぜひご覧ください。
訪問させていただいた個人愛好家の庭。盆栽専門店と見まがうほどの質の高い盆栽が、無数に並ぶ威容に圧倒されました。
撮影/小倉雄一朗(本誌)
●盆栽は『時間の彫刻』
それにしても、盆栽とは神秘的な存在です。ものによっては数百年の樹齢を数え、今生きている人間より遙かに長い時を経て、目の前に座っている。じっと眺めていると悠久の時の流れを感じ、恍惚となります。今回、巻頭のお話をいただいた作家の栗田勇先生は、こうおっしゃいました。「盆栽は、日常生活では見ることができない自然の命の経過を形にして見せてくれる『時間の彫刻』なのです」
『時間の彫刻』―素敵な言葉に出会えました。
●追伸―福田繁雄先生のこと
「サライ はがき絵大賞」で審査員を務めていただいていたグラフィックデザイナーの福田繁雄先生が1月11日、お亡くなりになりました。サライに在籍して日の浅い私はお目にかかったことがなく、昨年11月に銀座で個展を開かれた折のパーティーにご挨拶に伺いました。編集部からお贈りしたお花は周りのものより随分小さく、身の縮まる思いで先生のご到着を待ちました。待つこと1時間、先生はいらっしゃらない。聞けば、海外の出張先で飛行機の出発が遅れ、帰国が間に合わないとのこと。ご挨拶はまたの機会にと、足早に会場を後にしました。
後日、福田先生からお礼とお詫びのハガキが届きました。あんな小さなお花へのお礼をわざわざくださったことにひたすら恐縮し、お人柄が偲ばれたものです。それからわずか2か月足らずで届いた突然の訃報。ついに先生にご挨拶することは叶いませんでした。先生がお元気なら今後どんな関わりを得られたかと想像するに及び、形容し難い悲しさと虚しさにとらわれました。
親しい人との別れがつらいのは当然ですが、まだ見ぬ人との別れにも独特な寂寥感があるものです。心よりご冥福をお祈りいたします。
(サライ編集部/西村研一)
●大特集『盆栽入門』主要HPへのリンク
●名車を唎く
SUBARU
●サライ美術館
東京国立近代美術館
●商品情報インタビュー
キャドバリー・ジャパン株式会社
1月22日発売の「サライ」3号は、名僧・良寛の特集です。天災や悪政で疲弊した時代に、名家の跡とりという境涯をなげうって出家、人生の多くを修行や托鉢についやした良寛とは、そもいかなる人か。良寛と血縁のある俳優・小沢昭一さん、書家の矢萩春恵さん、良寛研究家の加藤僖一さんや長谷川洋三さんら専門家や愛好者の「証言」を交え、書、句や詩歌など、良寛の多彩な仕事をゆったり鑑賞します。
「凧にして飛ばすから字を描いておくれ」と子供に頼まれてものしたという『天上大風』の名筆をはじめ、良寛の作品には眺めているだけで人を清々しい気持ちにさせる力があります。
●良寛の生地に泊まる
昨年のNHK紅白歌合戦で良寛の生地の名が全国放送され、ご当地がこの話題でちょっと華やいでいます。土地の名は「出雲崎」。演歌の新星ジェロのヒット曲『海雪』のさびで切々と歌われる地名です。
良寛の話題になったとき、かならず名の挙がる新潟県三島郡出雲崎町は、良寛記念館はじめ生地跡の良寛堂、出家のきっかけとされる刑場跡などゆかりの場所が多いところ。良寛の足跡を訪ねてのんびり旅をするなら、できればこの町に宿をとりたいものです。
ところが出雲崎は長岡市の北西約15キロ、寺泊海岸から南西約9キロという不便な土地。さて、どこに泊まったものか。そこで良寛探訪をライフワークにされ、『さっき良寛がいた-ふるさと越後の旅』などの作品集もある写真家・遠藤純さんに相談したところ、即答されたのが山崎旅館でした。出雲崎には小さな港があって漁師さんは朝方海へ出て午後3時頃に帰港します。それから競りが始まり、毎日そこで競り落とした新鮮な魚を供する宿といいます。主菜はもちろん魚介ですが、鯛がでるか烏賊がでるか、献立はその日の水揚げ次第。
私たちが泊まった日は烏賊が大漁とのことでヤリイカの刺身、塩辛、ゴロで茹でた下足...鮮度のよい烏賊だけが持つ歓声を上げたくなるような甘さと、身からあふれ出る旨みに、思わず合掌したものです。続く「今日は小さいけれど」と謙遜されながら運ばれた天然鯛の刺身と塩焼きの滋味深いこと。奮発すれば鮑に会える日もあるそうです(特別素材、特別料理も相談に乗ってもらえます)。部屋は気取らぬ民宿風、料理は船上でさばいたかのごとき鮮度、景色は目前が海岸なので落陽が美しく朝の海岸散歩も気持ちがいい。味、景色、空気、その地に行かねば味わえぬもの尽くしの質朴な宿に、旅の原点も見た思いがしました。
『山崎旅館』住所:新潟県三島郡出雲崎町石井町90 Tel:0258・78・2012 料金:1泊2食付き1名1万1550円~。季節や漁により献立は変わる。写真はある日の夕食。カヤカリ刺身、ズワイガニ、イシモチ焼き、イゴ(海藻)練り、鯛入り茶碗蒸しなど。 撮影/遠藤純
出雲崎はおだやかな海岸風景が続く静かな町。ジェロの歌にある、身を投げてしまいたくなるような断崖は見当たりません。土地の人にうかがうと、出雲崎のさらに南東に「蛇崩れ」(じゃくずれ)という崩落地形があり、そこではないかと。晩年の幸田文が「崩れ」と名のつく崩落地を訪ね歩く名随筆『崩れ』(講談社文庫)を片手に、季節を変えて再訪を思い立ちました。旅好きに愛読者が多い『崩れ』を読むと、トンネルと高架がどれほど人から風景を遠ざけているかを思い知ります。「日本の『崩れ』を歩く」、ぜひ一度誌面でもとりあげたいプランです。
●良寛が夕日を見た場所に立つ
良寛堂、郷本海岸の旧庵跡、寺泊の照明寺など、ゆかりの土地を歩いていると、いずれも海が近く、夕日が美しい。ひょっとして良寛は、海と落陽を愛したのではないかと思えるほどです。
なかでも、新潟県弥彦山麓に位置する西生寺の境内から見た落日には息を呑みました。これと同じ夕景を良寛も見ていたのかと思うと、旅の感興もいっそう深まります。
「西生寺」の境内から見た見事な夕景。撮影/小倉雄一郎(本誌)
良寛が新潟を飛び出し、師の国仙和尚について厳しい修行を積んだ、広島県倉敷市の円通寺も、海と太陽が望める地にあります。お寺の裏山に登れば海が見晴らせ、朝日と夕日がともに美しい。奇しくもその場所には今、良寛が子供とたわむれる石像が立っています。
(サライ編集部/井本一郎)
●大特集第2部『良寛「諸国行脚」を旅する』主要HPへのリンク
●名車を唎く
トヨタ
●サライ美術館
国立新美術館
●商品情報インタビュー
北陸アルミニウム株式会社
新年、明けまして、おめでとうございます。本年は『サライ』創刊20年という節目の年。世間では冷たい風が吹きまくっていますが、サライは常に心温まる誌面をお届けしたいと思います。そこで、新春第1弾サライ2号の特集は、熱い情念が煮えたぎる(!?)「文楽」です。何を隠そう、この私も、今回の特集を準備するまで、文楽の舞台を生で見たことがありませんでした。ところが実際に足を運んでみると、何と面白いことか! 語りの大夫、三味線の音楽とともに、美しい顔立ちの(本当に美しい!)人形が、表情豊かに人間のドラマを繰り広げます。親子の情、夫婦の愛憎、武士の志しなど、忘れかけていた日本の心を思い出させてくれるのです。ちょうど、今、大阪の国立文楽劇場では新春公演が開催中。来月は東京の国立劇場でも公演があります。サライの特集をご覧の上、一度、文楽をライブでお楽しみください。
さて、文楽の本場は大阪。新幹線の新大阪駅構内には、文楽の人形が飾られています(下写真)。東京駅の"銀の鈴"のように、みなさん待ちあわせ場所として利用されているようです。新大阪から地下鉄でなんば、日本橋へ。国立文楽劇場は、庶民の町にあります。有名な法善寺横丁や黒門市場も近く、文楽鑑賞のついでに立ち寄りたい場所が多い。私が個人的にお薦めするのは、日本橋交差点にある「おはぎ」専門店の『玉製家』(ぎょくせいや)。京都出身で甘い物にはうるさい私が、言葉を失うほどの素晴らしさ。たかがおはぎがここまで旨いとは! 注文を受けてから丁寧に作られるので、少々待つことにはなりますが、口にすると小豆の香りとほどよい甘味に陶然とします。「きなこ」は中に餡が入っていないのですが、これまた既成概念を覆す素朴な旨さ。午後2時からで品切れ次第閉店ですが、わざわざ行く価値のある和菓子店といえるでしょう。
食べ物つながりでもう少し。今回のサライ2号には、文楽とともにチーズの特集も掲載しています。このチーズと和食って、意外と相性がいいものなんですよ。私はシンプルなカッテージチーズを小さなサイコロ状に切り、鰹節と醤油をかけて食します。これがご飯にも日本酒にも合うのです。気の利いた居酒屋なら、クリームチーズと酒盗を和えて供するでしょう。また、カマンベールは糠漬けのダイコンやニンジンなどと一緒に食べると、軽めの赤ワインでもイケます。同じ発酵食品同士の共通点があるからでしょうか。京都の冬の名物「酸茎」(すぐき)の漬け物を使えば、カマンベールとは絶妙の組み合わせとなります。スーパーで簡単に手に入る、雪印など国産大手メーカーのチーズで、ぜひ、お試しください。
カッテージチーズを鰹節と醤油で。
クリームチーズでも代用できます。
カマンベールに「酸茎(すぐき)」を添えました。
柴漬けでも合います。
(サライ編集部/藤田信吾)
●特集「文楽」入門、主要HPへのリンク
・国立劇場
・文楽協会
●特集「チーズ基本のき」
1号の『「ふるさと富士」を望む湯宿』特集はいかがでしたでしょうか。寛ぎの宿と冬の味、山を祀る神社ほか、郷土の富士にまつわる記事を興味深くお読み頂けたのではないかと思います。今回、ご紹介できなかった素晴らしい「ふるさと富士」が、全国にはまだまだ数多くあります。機会があれば、今後も取材したいと思います。
さて、今回の特集で「津軽富士(岩木山)」をご案内いただいた津軽鉄道社長の澤田長二郎さんですが、私のたっての希望で誌面にご登場いただきました。といいますのは、今年(2008年)の夏まで弊社の「ビッグコミック」という成年漫画誌で、私は津軽鉄道を舞台にした漫画「ちゃぺ!津軽鉄道四季ものがたり」(作・川上健一/画・引野真二)を担当していたからです。この作品は単行本となり、11月に発売されました(定価540円)。この漫画を皆様にご紹介したいと思います。
「ちゃぺ」と呼ばれている、小学4年生の女の子がこの漫画の主人公です。「ちゃぺ」は、津軽地方の方言で「子猫」を意味します。言葉通り、目がパッチリとして仕草が愛くるしい、元気いっぱいの女の子ですが、海外へ働きに出た母親の帰りを毎日、待っています。「ちゃぺ」は、津軽鉄道の終着駅である津軽中里駅前で、「はるえ食堂」を営んでいるおばあさんと二人暮らしです。「ちゃぺ」と「はるえ食堂」を訪れる人々、津軽鉄道に乗る人々、「ちゃぺ」の友達や仲間たちなど、たくさんの津軽の人々がこの作品には出てきます。春のさくら祭り、夏の立佞武多、秋のホタルに冬の地吹雪・・・ 四季折々の津軽の風物やお祭りを舞台に話が進みます。果たして、「ちゃぺ」のお母さんは帰ってくるのでしょうか...
この作品には津軽の自然や歴史、そこに暮らす人々の営みが感動的に描かれています。ぜひ、お手に取ってみてください。そして、津軽鉄道へ足を運んでいただければ幸いです。冬のストーブ列車で知られる津軽鉄道ですが、沿線人口の減少で経営が苦しくなっています。一人でも多くの方が、この鉄道を訪れてくれることを願っています。
(サライ編集部/三浦一夫)
「ちゃぺ!津軽鉄道四季ものがたり」(作・川上健一/画・引野真二)は定価540円で全国の書店ほかで好評発売中です。小学館愛読者サービスセンター(TEL03・5281・3556)でもお買い求め頂けます(土日祝日を除く9:30から17:30)。
↑誰よりも津軽鉄道に詳しい「ちゃぺ」。全国からこの鉄道を訪れる観光客や地元の人々に、この鉄道の魅力を伝えています。
↑津軽鉄道の起点・津軽五所川原駅。JR五能線の五所川原駅に隣接しています。ここから、津軽中里駅までの全20.7kmを結んでいます。
●大特集「富士山が絵になる宿」主要HPへのリンク
先日、噺家の五街道雲助師匠にお話を伺っておりますときに、古今亭志ん生師匠の話題になりました。ちなみに雲助師匠というのは、十代目金原亭馬生師匠のお弟子さんです。
馬生師匠というのは、志ん生師匠の長男でして。それでおわかりにならなければ、志ん朝師匠のお兄さん。それでわからなければ、女優の池波志乃さんのお父さん。それでもわからなければ、俳優の中尾彬さんの義理のお父さん......。
(編集部註:このネタは(c)雲助師匠です。勝手に使ってすみません!)
それで、えェ、何の話かと申しますと、雲助師匠が語る志ん生の思い出ですね。ある日、大師匠にあたる志ん生に、雲助師匠が稽古をつけてもらいました。落語の稽古は「三べん稽古」といいまして、弟子を前にした師匠が、同じ噺を3回やる。録音はおろか、昔はメモを取ることも許されなかったそうで、たった3回で覚えなくてはいけない。ところが、志ん生師匠が3回やると、同じ噺なのに3回とも違う。もうまったく、稽古にならなかったそうです。
でもそんな自由奔放さが、寄席のようなライブでは威力を発揮します。マクラでお客の心をつかみ、ぐっと盛り上げて、そのままサゲ(落ち)までもっていく。いい加減のようにみえて、じつは計算し尽くされた志ん生の話芸は、今号の付録C Dに収めた『鮑のし』でたっぷり味わうことができます。ぜひ一度、聴いてくださいまし。と、ここまではマクラでございまして......。
来る1月6日(火)、『サライ』責任編集による落語雑誌を創刊いたします。毎号、大判で20ページ・オールカラーの冊子とC D1枚のセット。取り上げますのは綺羅星のごとき昭和の名人たち。発売順に並べますと、古今亭志ん朝、志ん生、先代柳家小さん、三遊亭圓生......と、思わず拝みたくなるような豪華な顔ぶれ。C Dに収録しますのは、志ん生の『火焔太鼓』、圓生の『火事息子』、文楽の『明烏』など、名人の十八番ばかり。
しかも第1巻「古今亭志ん朝」は、創刊記念特別価格で490円。江戸後期の銭勘定ですと、三十文くらいでしょうか。皆様、1月6日には、500円玉を握りしめて書店へお出かけくださいまし。
(サライ編集部/小坂)
『落語 昭和の名人 決定版』の詳細はこちら(http://sgkn.jp/rakugo2009)をクリックしてください。
●名車を唎く
●サライ美術館
ビュフェ美術館
●商品情報インタビュー
シャープ
今号のシェイクスピア特集はいかがでしたでしょうか。学生時代に一度は英語の授業でお世話になったり、ハムレットやリア王などの芝居を見に行ったことがある方もおられることでしょう。
特集でインタビューをした演出家の蜷川幸雄さんは、日本のみならず、世界でも数多くの芝居を演出し、高い評価を受けています。その蜷川幸雄さんが芸術監督を務めているのが、『彩の国さいたま芸術劇場』。埼京線の与野本町駅下車、徒歩10分程度(新宿から埼京線快速で約30分)に位置する立派な劇場です。今をときめく俳優の小栗旬さんや藤原竜也さんなどがよく出演されることも多く、話題に事欠きません。
さて、その『彩の国さいたま芸術劇場』の個性的な一面が垣間見られるのが、蜷川さんのインタビューページでもご紹介した『さいたまゴールド・シアター』の活動です。
55歳以上の一般オーディションで選ばれた熟年世代の劇団......。まさにサライ世代代表ともいえる方々が、蜷川幸雄さん指導のもと日々鍛錬を積まれています。すでに昨年には、劇作家・岩松了さんの新作『船上のピクニック』を上演しました。
蜷川さんはポーランドの演出家、タデウシュ・カントールが主宰していた老人の劇団をモデルに、高齢者による劇団の構想をずっと温めていたそうです。歳を重ねてきた人たちが、演劇を通して新しいスタートラインに立てないだろうか。仕事をリタイアしても人生まで閉じることはないのではないだろうか、まさに逆転の発想です。その情熱に感化されたのか、応募人数はなんと1000人を越えていました。80歳以上の方も数人おられたそうです。
「芝居を続けていくうちに、元気になって、歩く速度が速くなって、きらきら輝いていく。そして初めは覚えられないせりふが覚えられるようになっていくんですよ」と蜷川さんは『さいたまゴールド・シアター』の劇団員たちのことを話します。はじめは表情が硬かった人たちも、コミュニケーションととることで、生き生きしていくのだそうです。
来年もまた公演を予定しているとか。詳細が決まりましたらぜひ『サライ』でも紹介したいと思います。
彩の国さいたま芸術劇場の外観
●大特集「シェクスピア入門」主要HPへのリンク
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
●名車を唎く
●サライ美術館
●商品情報インタビュー
私が住んでいる都内某所は、意外と自然が残る穏やかな場所です。ここを流れる小川周辺で、よく犬の散歩をしている人がいますが、先日亡くなられた俳優の峰岸徹さんもそのひとり。時々すれ違うことがありましたが、犬の散歩でさえ、寡黙な男らしさがにじみ出るような方でした。9月に公開された映画『おくりびと』には、短いながらも台詞がなく印象的な役で登場され、その存在感に圧倒されました。
今回の特集「干物名人になる」では、日本海側の干物の典型として、山形県・鼠ヶ関へ取材に出向きました。『おくりびと』は、同じ山形の鶴岡や酒田で撮影され、山形の春夏秋冬も美しく描かれています。地元の方々も、ロケ地となったことを誇りに思っているようで、この映画にまつわる逸話がいくつも飛び出してきました。
私もさっそく公開後すぐに観に行きました。朝一番の回だというのに、映画館は半分以上席が埋まっています。しかもサライ世代の方がほとんど。「納棺師」という難しいテーマながら、今でも連日満員という盛況が続いているようです。必ず訪れる悲しい別れから、家族の絆、そして生きるという意味を教えてくれる作品です。「干物」の取材が、この映画につながり、身の回りのことも改めて考える機会になりました。
先月、桜の木から葉が舞い落ち始めた頃、私の住まい近くに頭が緑色の美しい真鴨が姿を見せました。渡り鳥の飛来は例年より2週間以上も早く、今年は冬の訪れも早いのかもしれません。季節が変わると、なくなるものはありますが、新たにやってくるものもある。冬のあとには、春が待っています。
(サライ編集部/藤田)
秋の小川には、定住のカルガモに交じって、渡り鳥の姿もちらほら。
●特集「干物名人になる」
・島源商店
●名車を唎く
●サライ美術館
Bunkamura ザ・ミュージアム
●商品情報インタビュー
10月16日発売「サライ」21号は、65ページにわたって金沢を特集します。大きな自然災害や戦災に遭っていないため、江戸時代からの古い町並や、伝統工芸の至宝が数多く残り、人口45万人という規模にもかかわらず、今も3つの茶屋街が藩政期の伎芸を伝えています。一方、現代美術展を次々に催す金沢21世紀美術館には、年間130万人もの人が訪れ、独自のオーケストラを持ち、ブランドショップが軒を連ね、食の世界は活気に溢れている ――いったいこの町は古いのか、新しいのか。
旅というものが、計画を立てているときから始まるとすれば、取材に出かける前に読んで、すっかり金沢へ行った気になれた本があります。それは北國新聞社刊『おもしろ金沢学』(1300円)。見出しには、「ケチが不景気を招いた消費都市」「出る杭は徹底的に打たれる」「書院造りは農家まで」「空から謡が降ってくる」「お寺が、かたまってあるわけ」「今も生きている金沢ことば」など、好奇心をかきたてる言葉が並びます。読みながら肯き、驚き、時に首をかしげているうち、すでに心は金沢へ飛び、土地っ子から本音で話を聞いているような気分になりました。実際、料亭、ショップ、小さな博物館などで、初対面の方に「こんな話は本当ですか」と尋ねると、「誰が言ったの?よく知ってるね」、こうしたやりとりから会話が弾んだことも一度ならずありました。金沢ってどんなところ?の答えの一部はこの本の中で見つかります。
また、今年創刊10周年を迎える月刊「金澤」(金沢倶楽部刊、680円)という地域情報誌はたいへん刺激的です。10月号の特集は「おいしい蕎麦を食べに行こう」「金沢でジャズを聴く」の2大特集。金沢界隈のジャズスポットと旨い蕎麦店が、美しい写真とともに丁寧に紹介されています。表紙は、女優の檀れいさんを篠山紀信氏が撮り下ろす贅沢さ。金沢という都市を縦横無尽に紹介する切り口と情報量には目を見張ります。
これらの本や雑誌は、東京・日比谷「石川県観光物産PRセンター・加賀・能登・金沢 江戸本店」でも入手可能(在庫は事前に要問い合わせ)。江戸本店では、本誌に取り上げた工芸品店の一部商品や、冷蔵・冷凍の海産物や石川県の銘醸酒、魚醤の「いしる」も売っていて、石川県の多彩な特産物に出会うことができます。
金沢を縦横無尽に紹介する、地域情報誌の月刊「金澤」(金澤倶楽部刊、680円)。10月号はおいしい蕎麦を食べに行こう」「金沢でジャズを聴く」の2大特集です。
金沢へ行った気になれる、北國新聞社刊「おもしろ金沢学」(1300円)。読みながら肯き、驚き、時に首をかしげているうち、すでに心は金沢へ。
「温故・知新」「不易・流行」、この言葉は、どちらも相反する2つの現実が、せめぎあいながらも影響を与え合い、どちらか一方が勝つでも負けるでもない、2つが融け合うことで新たな世界を生み出してゆく、そんな「運動」を指す言葉だと理解しています。これは、金沢のためにあるような言葉に思えてなりません。上の世代からリレーされた伝統をあえて重く受け取らす、新しいものを生み出す素材として自由に使いこなしながら、しかし、長い目で見るとそれが伝統にきちんと連なるような技とモラルに裏づけられている。伝統そのものを売るのではなく、伝統を現代の豊かな遊びに変え続けてゆく町だから、行くたびに新しい発見があるのでしょう。温故・知新の町・金沢から、これからも目が離せません。
東京・日比谷「石川県観光物産PRセンター・加賀・能登・金沢 江戸本店」では、本誌に取り上げた工芸品店の一部商品や、冷蔵・冷凍の海産物や石川県の銘醸酒、魚醤の「いしる」も売っています。
(サライ編集部/井本一郎)
●『おもしろ金沢学』(2008年、北國新聞社刊、1300円)
千代田区有楽町1-5-2 東宝ツインタワービル1F
電03・3500・3883
営10時30分~19時30分 無休(年末年始除く)
●大特集「武家文化との日本海の海の幸に触れる旅」
主要HPへのリンク
鏑木商舗
●Yahoo! ニュース
新設「BOOK」部門は立川談志が受賞「第7回 サライ大賞」
ゴルフ特集の第1部で、女子プロゴルフの大会を取材して意外だったのは、平日の金曜日で、しかも予選初日であったにもかかわらず、じつに多くの家族連れやご夫婦が足を運んでいたことである。もちろん、女子プロゴルフ界のスター・上田桃子選手が久しぶりに参戦する国内大会であったことも、その一因ではあるだろう。とはいえ、やはり大会の主催者がゴルフをしない人でも楽しめる各種のイベント開催に非常に力を入れていることが大きい。柳家権太楼師匠も「昨今のプロの大会が、こんなに楽しいものだったとは知りませんでしたよ」としきりに感心していた。
さて、ゴルフ特集第1部で柳家権太楼師匠が応援していた諸見里(もろみざと)しのぶ選手の優勝には、スタッフ一同驚かされた。というのも、上田桃子選手をはじめとする国内外の強豪選手が多数参加している本大会で、まさか権太楼師匠が記念写真(本誌30ページ)を撮った諸見里選手が優勝するとは、予選初日の時点では正直、スタッフは予想していなかったからである(もちろん、大きな期待は寄せていたが...)。その写真も優勝後に撮ったものでないことは、諸見里選手のサイン下にある日付でおわかりいただけるだろう。誌面的に最高の結果となった『第2回 アクサレディストーナメント』だった。
●大特集「嗜まない人も楽しめる"あの手この手"サライ流ゴルフ」主要HPへのリンク
●サライ美術館
皆様はじめまして。7月よりサライに配属された西村と申します。奈良県出身という理由で、19号の奈良特集担当に任命されました。ところが周囲の期待を見事に裏切る、奈良もんの奈良知らず。「お前、本当に奈良出身?」と突っ込まれることが多々ありました。大学入学時に東京に出てきたのですが、少年時代は東京指向が強く、奈良の偉大さに目を向けようとはしませんでした。そんな昔の自分を恥じると共に、これを機会に奈良を極めようと思った次第です。
別冊付録「大和伝統の美味と食事処25」では、奈良の伝統食である奈良漬、茶粥、三輪そうめんの歴史、製法を紹介。さらに、地元食材の大和野菜等を使用した食事処、奈良の食通が通うお店も掲載しています。「奈良にこんなにおいしいお店がたくさんあったのか」と私自身も驚きの連続でした。奈良を訪れる際には、この別冊付録をお伴としていただければ幸いです。
こちらに掲載されているお店を推薦していただいたのは、巻頭インタビューにご登場いただいている石村由起子さん。ご自身も大和西大寺にある食と宿の融合施設「秋篠の森」内で食事処「なず菜」等を経営されています。「なず菜」ではお昼のコースをいただきました。大和野菜、大和牛などの地元食材がふんだんに使われており、食材の力を引き出した素朴で深い味わいに魅了されました。夕食コースかと思うほどの品数の多さに大満足です。あまり人に教えたくない素敵なお店ですが、別冊付録にはちゃんと掲載いたしましたので詳細はそちらをご覧ください。
夜は石村さんを交えてスタッフと食事会。奈良ホテルで一杯傾けた後、石村さんのご紹介で、おでん屋「竹の館」へ。店内は壁一面が竹で囲まれた、懐かしさを感じるお店です。とにかく具が大きい、安い、うまい。夜が早い奈良において深夜2時まで営業している貴重なお店ですので、奈良の夜を飲み明かしたい方には、おすすめのスポットです。
最後に、誌面には掲載できなかった石村さんお薦めのお菓子をご紹介します。近鉄尼ヶ辻駅近くの「玉兎(たまうさぎ)」。きな粉だんごのお店です。団子に特製のたれをつけ、たっぷりのきな粉をまぶした逸品。しっかりした味わいですが、後味はさっぱりしていてお腹にもたれず、何本でもいけます。ぜひご賞味を。本店の他、近鉄奈良駅でも売っています。
「玉兎」のきな粉だんご。しっかり、かつあっさりの魅惑の味。食べ過ぎに注意!
(サライ編集部/西村)
●大特集「錦繍の大和路への旅 奈良」主要HPへのリンク
●サライ美術館
奈良国立博物館
●名車を唎く
BMW/120i カブリオレ
●商品情報インタビュー
ブーメランイット・ジャパン/マイブーメラン
今号の『サライ』は、恒例の"丸ごと一冊・京都大特集"です。毎年、この京都特集を楽しみにされている方も多いことでしょう。今回は日本史の要衝ともいえる京都を、歴史的な観点から記事構成しています。まず、世に出て一千年という『源氏物語』。織田信長や安倍晴明、伊藤若冲らが活躍した舞台を辿る。そして、千利休、織部、遠州といった偉大な茶人の物語。
もちろん、美味処や紅葉名所も紹介しています。別冊付録では、中庭や遠景を楽しめる老舗料亭や高級ホテルの昼食を特集。「山手線ラッシュ並みの混雑」と言われる名所は避け、比較的静かにゆっくりと紅葉を観賞できる寺社や散歩道をお教えします。
担当した私、じつは京都の出身です。この紅葉ページで紹介している東福寺コースは、実家からも近く、幼少の頃から親しんでいた場所。中でも、智積院は実家と目と鼻の先で、境内でかくれんぼやザリガニ捕りなどをして遊んだものです。この壮大な寺院には、長谷川等伯による国宝の障壁画「楓図」があり、実物を見ることができます。今回の表紙にもした名作で、桃山時代の絢爛たる美術世界が偲べます。庭園も立派で、宿坊まであり、何より静か。京都駅からも近いので、ぜひ立ち寄ることをお薦めします。
さて、京都の町中を歩いていると、よく出くわすのが銭湯。このご時世、これだけ残っているのが不思議なくらいです。京都らしく古い木造の建物で営業している銭湯も多く、紫野の船岡温泉や下鴨の栄盛湯などの立派な外観は、百年前にタイムスリップしたかのよう。京都の町歩きに疲れたら、銭湯に立ち寄ってみるのも案外といいものです。携帯用のポーチに入浴セットを仕込んで、持ち歩いてみてはいかがでしょう。
下鴨神社を散策していると、隣接した住宅街に現れる「栄盛湯」。池には立派な鯉も泳いでおり、とても銭湯には見えません。
(サライ編集部/藤田信吾)
●大特集主要HPへのリンク
●激動の茶人物語
・裏千家
●サライ×一澤信三郎帆布 オリジナル鞄
●サライ美術館
●名車を唎く
●商品情報インタビュー
8月21日発売の『サライ』は、まるごと1冊「仏像」特集です。実際にわたくしたちが拝観できる日本を代表する仏像や、顕著な特色を持つ仏様たち146体(※)が勢揃いします。今号の「読みどころは?」と問われたとしても、なにしろ1体1体が個性的でふたつとない素晴らしい姿なので「全ページです」としか言いようがありません。写真はもちろん、イラストや図解、時にはX線写真や解体写真を駆使して、見どころや歴史を楽しく学びながら、仏像に込められた祈りの心に迫ります。
この春、アメリカのオークションにかけられ、「すわっ、国宝級の仏像が海外流出か」と、世間の耳目をさらった新発見の運慶作・大日如来坐像とも本誌で出会えます。解説は、鑑定を行なったご本人・山本勉(清泉女子大学教授)さん。この大日如来坐像は結局14億円という高値で日本の宗教法人に落札され、9月21日まで東京国立博物館で、鑑定の決め手となった栃木県・光得寺の大日如来坐像(重要文化財)とともに、一般公開されています。本誌を片手に、鑑定家の気持ちになって2像を比較・検証してみると、仏像の新しい見方ができるかもしれません。
さて、仏像好きが出会うと必ず交わす問答があります。「あなたにとって、もっとも好きな仏像は何ですか」。こんな難しい質問に、巻頭言をいただいた辻惟雄(日本美術史家)さんは、率直に答えてくれました。「湖北にある向源寺の十一面観音でしょうか」。渡岸寺の十一面観音としても知られるこの美仏。「1時間もじっとご覧になっている女性もいますよ」そんな話を、御堂を守る地元の方からうかがいました。琵琶湖の北、湖北地方にはこのほか、やさしい面差しが特徴の平安時代の仏像が数多く残っています。かつてこれらは数十年に一度しか開帳されず、彩色や金箔が当時のまま残っているものもあります。地元の人さえ生涯に何度も見られなかった秘仏が、現在あたりまえのように拝観できる幸運を思わずにはいられません。
ただし湖北は交通の便がよいとはいえず、仏像も、寺ではなく地元自治会で維持している場合もあって予約が必要だったりと、巡拝は時間がかかります。湖北観光ツアー(問近江鉄道彦根バス営業所 電0749・25・2503)など、定期観光バスを利用すると便利です。
最後に、自宅に居ながらにして仏像巡礼が楽しめる1冊を掲げます。井上靖『星と祭』。昭和46年に新聞連載が始まったときから、琵琶湖周辺に仏像巡礼者が増えた、というほど話題になった小説と聞きますから、読まれた方も多いかもしれません。ボートの転覆事故で琵琶湖に沈んだ若い男女の父親ふたりが、湖の周辺に立つ観音像を巡礼する物語です。子を喪った深い悲しみが、物言わぬ観音像に癒されてゆく様子に心打たれます。読み終えたあと、近江路へと旅立ちたくなる1冊です。
紅葉が色づき、山海の食材が膳を飾る秋こそ旅の好機。次号の奈良特集、次々号の京都特集とあわせて、古仏巡礼の旅を計画されてはいかがでしょうか。
※一部に公開期間限定や公開時期未定の仏像を含みます。
(サライ編集部/井本一郎)
●大特集「仏像の見方」主要HPへのリンク
●名車を唎く
●サライ美術館
●商品情報インタビュー
今号の『サライ』は、まるごと一冊「国宝」尽くし。全長116cmにも及ぶ絵巻と屏風のとじ込み付録では、表情豊かな登場人物の姿が存分に楽しめます。国宝の絵巻「信貴山縁起」は、「ぶらり国宝絵巻漫遊」特集でも紹介していますが、大阪にほど近い奈良の生駒にある古刹、信貴山朝護孫子寺におさめられたものです。この寺では、福が授かるものとして寅を「福寅」と呼び、張子からキーホルダーまで、さまざまな品が作られています。プロ野球球団・阪神タイガースの面々も優勝祈願に訪れるとか。すでに優勝マジックがついた今年、同球団の活躍は福寅によるものかも知れません。ところで本堂の飾りを始め、至るところで見かけるのが百足の姿。毘沙門天の使いで、足がたくさんあることから、「おあし=お金をたくさんいただける」、大変御利益のあるものだそうです。金運招福の銭亀神なども祀られる境内は広く、豊かな自然に恵まれています。
私事ですが、このたび人事異動で『サライ』を離れることになりました。取材でお世話になりました方々には、この場を借りまして厚く御礼を申し上げます。
(編集部・望月)
訪れる者を迎えてくれる、首振りの寅。この寅の前を通って、本堂へと向かいます。寅は吠えても尻、隠さず?
「信貴山縁起」は漫画の源?
この度、サライ編集部へ異動してまいりました三浦です。ホームページ(HP)を担当いたしますので、よろしく御願いいたします。
とじ込み付録の「信貴山縁起~飛倉之巻」を改めて眺めますと、米俵が飛ぶ様子に大げさに驚く人々の仕草や表情が、「鳥獣人物戯画」とともに、この絵巻が日本の漫画の源流であると言われていることも頷けます。そういえば、急逝された漫画家の赤塚不二夫さんは子供の頃に奈良にお住まいだったとか。信貴山朝護孫子寺へ行かれたことがあるかどうかはわかりませんが、この絵巻をご覧になったら何とおっしゃったのでしょうか。漫画が大好きな私としては「これでいいのだ!」と言ってほしいような...
下の写真のモデルは私です。以降、お見知りおきください。
(編集部・三浦)
今号のとじ込み付録、「国宝」絵巻・屏風がこちらです。このとじ込みを開きますと...
どうです、この迫力! 全長1m16cm。両手を精一杯、広げたこの長さ。完全保存版、プレゼントとしてもお薦めです。
●大特集「国宝『眼福』の旅」主要HPへのリンク
●名車を唎く
・ジャガー/XF
●サライ美術館
・京都国立近代美術館
「ポーニョ ポニョ ......」テレビから流れる、宮崎駿監督の最新作映画『崖の上のポニョ』の歌のメロディを最近よく耳にした方も多いでしょう。この歌と映画が『サライ』とどんな関係があるのか......。それは今号の「坂本龍馬を旅する」の特集で紹介している龍馬ゆかりの土地、鞆の浦がじつはこの映画の舞台になった場所なのだそうです。映画では、ある海辺の町が舞台となっていますが、数年前に宮崎監督率いるスタジオジブリの皆さんが社員旅行に鞆の浦を訪れ、その懐かしい原風景に魅せられた監督がここを舞台にしようとされたのだとか。鞆の浦は小さな港町ですが、日本の風景の面影が残る数少ない場所。私たちが忘れかけている日本の素晴らしさを味わうことができるはずです。
坂本龍馬が沈没したいろは丸をめぐって、紀州藩と談判をした鞆の浦の旧・魚屋萬蔵宅は今年の6月から『御舟宿いろは』という宿に生まれ変わりました。この宿の改装設計にも宮崎監督は参加をされて、随所に監督の意見が反映されています。ぜひ鞆の浦を訪れた際には『御舟宿いろは』にお立ち寄りください。1階はカフェスペースがあり、監督のスケッチなどを見ることができます。
(写真)鞆の浦の『御舟宿いろは』
(サライ編集部・熊谷)
●特集「盤上の知的遊戯『将棋』」
・日本将棋連盟
●名車を唎く
●サライ美術館
・東京都美術館
●商品情報インタビュー
・伊藤園/カテキン緑茶
●お知らせ
15号28ページ掲載、「龍馬の妻・お龍、32歳頃」の写真提供は、井桜直美氏でした。クレジットに漏れがありましたことをお詫びいたします。
今年の梅雨はじっとりと長く、天候不順で体調を崩す方も多いようです。梅雨が明けると暑い夏がやってきますが、これからの時期よく言われるのは塩分摂取の必要性。最新号の『サライ』では、「塩の塩梅」と題して、日本各地の伝統的な塩文化をとりあげ、取り寄せできる世界の“名塩”も紹介しています。げんこつサイズの岩塩の塊が入った塩のセットもあります。
この塩取り寄せでは、山形・庄内地方のイタリア料理店『アル・ケッチャーノ』の料理長がプロデユースした、3種類の塩を紹介しています。全国から客が訪ねてきて、数週間先まで予約で埋まっているという評判の店です。庄内地方の海や山の幸の美味しさを引き立てる塩は、一般にはなかなか入手しがたい逸品。ぜひ、お試しください。
(写真)庄内のイタリア料理店『アル・ケッチャーノ』。
この庄内地方の町、鶴岡から北上すると、港町として有名な酒田があります。2年前の鮨特集でも紹介ましたが、魚介類を好む方は必ず立ち寄りたい場所です。私も先日、酒田を訪れたところ、新たな名物を発見。それはラーメンです。全国各地に“ご当地ラーメン”なるものが存在し、この『酒田ラーメン』もそのひとつといえますが、これがサライ世代の方にもお勧めできる美味なのです。
透き通った醤油味のスープは、昆布や煮干などを使い、香り高くてあっさりと味わい。店によっては、トビウオのあごだしやいわしの丸干しを使用するとか。麺は手打ちの店が多く、細いうどんのような食感が楽しめます。さらに特徴は、ワンタン。酒田の町を歩くと、あちらこちらに「ワンタンメン」ののぼりが目に付くのです。これも麺同様、自家製の薄いワンタンで、その滑らかな舌触りといったら!
(写真)酒田ラーメンの店『満月』のワンタンメン。
暑い夏こそ、冷たいものを控えて、暖かい料理を汗を流すと体によいともいいます。山形へ行かれる際には、丁寧に作られる酒田ラーメンもご賞味ください。
(サライ編集部/藤田)
●特集「塩の塩梅」主要HPへのリンク
・山塩館
・宮忠
●商品情報インタビュー
・プラス
●サライ美術館
・東京国立博物館
今号の特集記事は、「『男の着物』入門」、「本格ビール基本のき」のほか「『冷たい麺』名人になる」を掲載しています。私が担当した「冷たい麺」では、素麺や冷やしうどん、冷やし中華を家庭で美味しく食せるよう、各分野のプロに作り方を教わりました。
この特集で紹介した、仙台市にある中華料理店『北京料理 龍亭』は、"冷やし中華"の発祥のひとつといわれている店です。ここの味わい深い「涼拌麺」セット(麺4食、醤油スープとごまスープ各2袋入り、1050円)は、取り寄せることもできます。取り寄せ方法は龍亭のホームページをご覧ください。
なお、お取り寄せといえば、「美味取り寄せ帖」のオンライン・ショップでも、「五島手延うどん」や「ひじき麺」が注文できます。こちらも併せてご覧ください。
(サライ編集部・小倉)
●特集「『冷たい麺』名人になる」主要HPへのリンク
・龍亭
●特集「本格ビール基本のき」
・アサヒビール
●サライAV講座
●商品情報インタビュー
・富士フイルム『ファインピックスS100FS』
サライ12号の特集は「北京」「太極拳」、そして「夏野菜」です。太陽の光をたっぷり浴びて育った夏野菜は、暑い夏を乗りきるための栄養成分も豊富。そして、より安心、安全な野菜を食べたいなら、自宅で栽培するのが一番です。私事ですが、本誌60ページの撮影に使用したトマトとナスの苗を引き取り、拙宅で育てております。撮影から7週間後、このようにすくすく育ち、トマトには黄色い花と小さな青い実、ナスは薄紫色の可憐な花が咲いたところです。
今回、10品の料理指導をしてくださった江上佳奈美先生ですが、撮影当日は江上料理学院恒例の花見会を控えていて助手の先生はおおわらわの日。佳奈美先生おひとりで、下準備から調理まで奔走していただきました。どれも10分以内で簡単に作れて、美味しいものばかりです。「ニガウリのカレー焼き」「シソのチーズはさみ」を試作してみましたが、わが家の定番にしたい味でした。その際、余ったシソの保存法を試してみました。これは通信販売スタッフに教わった方法ですが、なめ茸の空き瓶などにシソを入れ、1.5㎝くらいの水を加え冷蔵庫へ。1週間経っても新鮮なまま保てました。
自家菜園をされている読者の皆様、見事に実った野菜の写真や絵など、本誌「駱駝倶楽部」へのご投稿をお待ちしております。
(サライ編集部/岡本)
●特集「『安心・安全』夏野菜」主要HPへのリンク
・ミレー
・山下農園
・タキイ
●北京3泊4日「愉快的」旅行
●サライAV講座
・東芝
・ヤマハ
●商品情報インタビュー
昨年の4号、23号と、今まで2度にわたって「落語」を特集いたしましたが、その都度、一杯の売れ行きでございまして、厚く御礼申し上げます。さて、ただいま発売中のサライ11号は、落語特集の第3弾。五代目柳家小さんを大きく取り上げさせていただきました。五代目小さんは2002年5月16日、87歳で大往生。今年が七回忌にあたり、5~6月の寄席や落語会では、小さんを偲ぶ催しが多く予定されています。
表紙をご覧になればわかりますが、落語に全く興味がない方でも、この狸のような丸顔には見覚えがあるでしょう。「あさげ」「ひるげ」「ゆうげ」のテレビCMでお馴染み。「永谷園の師匠」とも呼ばれたほどです。即席味噌汁を啜る仕種が美味しそうでしたが、実はあれ、ただのお湯なんだそうで。この「啜り方」の妙はもちろん、名人ならではの芸でしょう。高座のほうでも、蕎麦を啜る芸は絶品といわれていました。今号の付録CDに収録した『時蕎麦』で、その見事な音を堪能してください。
上の絵は、小さんが描いた狸。小さんはその愛嬌ある丸顔から、狸をトレードマークにしていました。色紙を頼まれると決まって狸の絵を描き、手拭いにも狸の絵をあしらったほどです。狸は古典落語にも顔を出す動物で、愛らしくて憎めないキャラクター。付録CDに収録した小さんの『狸賽』では、ちょっとドジな子狸の噺がお楽しみいただけます。
付録CDには十八番の『粗忽長屋』も含めて、滑稽噺ばかり3席を収録しました。古典落語には泣かせる人情噺もありますが、小さんは笑いが主体の滑稽噺を専ら得意とした人。朝ドラで有名になった『ちりとてちん』も、十八番のひとつでした。この噺、もとは上方のもので、東京では『酸豆腐』という題でやるのが普通ですが、なぜか小さんは上方のまま、『ちりとてちん』としてやっています。
噺家として初の人間国宝。落語という芸の頂点を極めた小さんですが、本当は剣士になりたかったんだそうです。八代目桂文楽に「落語と剣道、どっちが好きか」と問われて「剣道です」と即答したとか、「稽古するぞ」といわれて弟子の現・柳亭市馬師匠が駆けつけると、竹刀を振って待っていたとか、剣の道にまつわるエピソードは数え切れません。生涯で一番うれしかったのは、落語の人間国宝になったことじゃなく、剣道の「範士」という名誉ある称号をもらったことだったそうで……。
けれども、剣道に精進したからこそ、あの淡々とした平常心の話芸が生まれたともいえるでしょう。日本の武道はみなそうですが、技より心、精神面の充実を重んじます。剣道から学んだ、澄み切った心。「てらい」や「おもねり」のない、美しい心。小さんの高座を聴いていると、噺の向こうに、そんな小さんの人間性が浮かび上がってくるような気がして、不思議と幸せな気持ちになります。皆さんも今号の付録CDをお聴きになって、しばし、安らかで幸せな気持ちに浸ってください。
(サライ編集部/小坂眞吾)
●特集「続々『落語』入門」への主要リンク
・落語協会
・落語の蔵
●名車を唎く
ダイハツ/タント カスタム
●サライ美術館
奈良国立博物館
●商品情報 インタビュー
タニタ歩数計
サライ10号の特集は、「土門拳の写真教室」と題し、写真界の巨人・土門拳の世界を紹介しています。
じつは9年前にも「土門拳の『写心術』」という特集を担当し、その際は土門作品の背景にある思想と写真論を中心に構成しました。今回はデジタル・カメラの効果的な使い方や、『古寺巡礼』『古窯遍歴』の旅ガイドなど、より具体的な続編ともいえる内容です。機会があれば現地を訪れ、そこで土門が何を感じ取ったかを想像していただければ、と思います。
《ぼくはこの寺や建築や仏像を選ぶにあたり、学者諸賢のいう歴史的位置づけを問題にしたり、寺格を尊んだりしてはいない。それらはすべて、ぼくの好きなものであり、ぼくが睨んで、ハッと胸打たれたものばかりなのである。ということはとりもなおさず、我々の先祖が積み上げてきた、日本人のエネルギーを内に秘めているものたちなのである》(『古寺巡礼』より)
ちなみに本誌では紹介できなかったのですが、京都の高山寺では、菓子付き500円で抹茶をいただくことができます。茶もさることながら、「栂の月(とがのつき)」と名付けられた菓子に、ハッと胸打たれてしまいました。
(写真)高山寺で販売される菓子「栂の月」。
炊いた小豆を寒天で固めたものですが、素朴な甘さで飽きがきません。しかも包装紙には、私の大好きな『鳥獣人物戯画』の絵が使用されているではありませんか。
家でも食したくなったので、ついつい土産用の箱入り(12個1800円)を買い求めてしまいました。中身はすぐに食べきってしまったのですが、包装紙は捨てられそうにありません。
(サライ編集部/秋窪俊郎)
●特集「土門拳の写真教室」主要HPへのリンク
・三好和義RAKUEN
●特集「最新・大画面テレビ購入法」
・ビクター
・日立
●男の簡単料理 ソースの達人
・リストランテ スカレッタ
サライ9号は、丸ごと1冊「おくのほそ道」の特集です。元禄期に松尾芭蕉が著した「おくのほそ道」、〈夏艸や兵共が夢の跡〉〈閑さや岩にしみ入蝉の声〉などの句を、かつて教科書などで読まれた人も多いのではないでしょうか。今回の特集に際し、全文をあらためて読むと、その美しく味わい深い文章、考え抜かれた構成、俳聖の人生観などに感じ入りました。そこで今号には付録として、「おくのほそ道」の全文を掲載していますので、ぜひ音読してみてください。1時間程度で読み終えますが、黙読だけではわからない言葉の響きや巧みなリズムといったものが伝わってきます。
また、併せて現代語訳も掲載しました。そんなに長くない文章なので、こちらもぜひ一度目を通してください。芭蕉が辿った旅の様子がよくわかり、江戸時代の旅に思いを馳せることができます。
そして今回の目玉は、NHK『その時 歴史は動いた』でもお馴染みの松平定知アナウンサーによる「おくのほそ道」を全文朗読したCDです。64分に亘って、松平アナウンサーが、まさに心に染みいる調子で見事に朗読しています。 3月某日にNHKのスタジオで収録が行なわれたのですが、食事をとらず水だけで長時間の録音をしてくださった松平さん。ご自身、初めての全文朗読ということで、とても挑戦しがいのある内容でしたと話されていました。
(写真)朗読を担当した松平定知さん。
今回の特集では、目次にもあるように「おくのほそ道」を様々な角度から特集しています。それと併せて、この原典を、声と耳でじっくりと堪能してください。
(サライ編集部/河内真人)
●付録CDの「おくのほそ道」全文朗読の一部をお聞きいただけます。下の音声操作パネルの左下、右向き三角形の「PLAY」ボタンを押すと自動再生されます。パネル右下部分で音量調節もできます。
●特集「『おくのほそ道』を旅する」主要HPへのリンク
・尾花沢市芭蕉・清風歴史記念館
●名車を唎く
●サライAV講座
パナソニック「ビエラリンク」
●ニッポンのプレミアムな宿
『キリン ニッポンプレミアム』
はじめまして、8号「昭和のお笑い」特集を担当した井本です。大阪から東京にやってきた喜劇が、浅草の舞台で花開き、映画、ラジオ、テレビと、全国のお茶の間に笑いの渦を広げていく様子を駆け足でふりかえります。エノケンこと榎本健一、古川ロッパから森繁久弥、クレージーキャッツまで、綺羅星のごときスターの人生と笑いをご堪能ください。
笑いは時代とともに生まれては消えてしまうもの。とくに戦前の喜劇の画像は多くありません。今回は古川ロッパの遺品が寄託されている早稲田大学演劇博物館、榎本健一の貴重なアルバムを預かる台東区立下町風俗資料館のご協力により、当時の舞台写真や筋書きを掲載できました。なかでも浅草オペラの名歌手・田谷力三と若き日の榎本が、創作オペラ『勧進帳』で同じ舞台に乗る写真(本誌28ページ)は、珍しい一葉ではないでしょうか。早稲田と上野、2つの森に建つ個性的な博物館。ともに遺品は非公開ですが、舞台演劇の歴史や、昭和の下町の暮らしが見られる展示が魅力です。
「おいシン坊、俺の2世を継ぐかい」エノケンに芸を見込まれ、そんな誘いを受けた歌手・柳澤愼一さん(76歳)に、喜劇王の素顔について語ってもらいました(本誌33ページ)。
実は柳澤さん、今も2か月に一度、浅草のライブハウス『HUB』で歌っています。2月の公演に出かけると、お年を召した上品なカップルや3世代で聞きに来た家族などで満席。サックス、クラリネット、ピアノ、ドラム、巧者揃いのジャズバンドをバックに「素敵なあなた」「砂に書いたラブレター」「思い出のサンフランシスコ」などの名曲を、洒落た訳詞で歌います。「♪ダンナ、飲ませてちょうダイナ」エノケンの十八番「ダイナ」が始まると、客席全体に笑顔が広がりました。終演後、店のドアを開けたら目の前に「おいシン坊、遅れちゃったよ」とエノケンが立っていそうな…。のびやかな4ビートに乗って、昭和の笑顔が甦った一夜でした。『HUB』ではほぼ毎日、さまざまなジャンルのジャズの生演奏を聞くことが出来ます。
●特集「昭和のお笑い」主要HPへのリンク
●サライ美術館
京都国立博物館
●日本のアパレル
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ナショナル冷凍冷蔵庫
サライ編集部ホームページ(以下HP)担当の藤田です。この度、約8年ぶりにサライのHPがリニューアルしました。今まで以上に見やすく、使いやすいサイトを目指します。サライ本誌ともども、よろしくご愛顧のほど、お願い申し上げます。
さて、サライ7号は、江戸川乱歩、横溝正史、松本清張といった日本推理小説の先駆となった作家の特集です。代表作の舞台を旅する企画で、松本清張編の担当だった私は、清張の生地・小倉のある北九州市へ出向きました。詳しくは本誌をご覧いただくとして、ここでは、本誌に掲載しなかった情報を紹介いたします。
清張の名作「点と線」の続編とも言われる「時間の習俗」。その舞台となる門司港の町は、大正や昭和の建築物が残り、関門海峡など見所の多い町ですが、いわゆる“角打ち”(かくうち)が数多くあります。これは立ったまま、枡に入った酒を飲める町の酒屋さんのこと。門司区だけで20軒、北九州市全体では150軒以上あるといわれます。今ではコップ酒が多いようですが、どの店でも数百円で小一時間、酒が楽しめます。「九州鉄道記念館」の近くで私が入った「魚住酒店」も小さなカウンターだけで、午後6時にしてすでに常連客でいっぱい。代金は酒のみで、乾きものなどのつまみは店のサービスです。お店によって注文の仕方などに流儀があるようですが、気軽に立ち寄れる北九州らしい居酒屋といえます。
(写真左)“角打ち”のひとつ「魚住酒店」。
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